【2026年最新】退職金にかかる税金の計算方法|控除の仕組みと手取りの出し方
退職金は給与とは別の計算方法で課税されます。勤続年数に応じた控除があり、そのうえで残った額の半分だけが課税対象になるため、同じ金額の給与より負担が軽くなります。この記事では、計算の手順と、手取りを把握する方法を整理します。
①勤続年数から控除額を出す ②退職金から控除を引く ③その半分が課税対象
勤続20年までは1年あたり40万円、21年目からは1年あたり70万円が控除されます。
「退職所得の受給に関する申告書」を出さないと、税率が高く計算されます。
控除額の計算
【結論】勤続年数で2段階に分かれます。
20年以下の場合
勤続年数に40万円を掛けた額が控除されます。ただし80万円に満たない場合は80万円です。10年勤めたなら400万円が控除額になります。
20年を超える場合
800万円に、20年を超える年数×70万円を加えた額です。30年勤めたなら、800万円+(10年×70万円)=1,500万円が控除額です。
年数の数え方
1年未満の端数は切り上げます。10年3か月なら11年として計算されます。
控除内に収まる場合
退職金が控除額以下であれば、課税されません。多くの場合、ここで税額がゼロになります。
計算の手順7ステップ
【結論】控除を引いて半分にするだけです。
1. 勤続年数を確認する
入社日から退職日までです。端数は切り上げます。
2. 控除額を計算する
20年以下なら年数×40万円、超えるなら800万円+(超過年数×70万円)です。
3. 退職金から控除を引く
引いた結果がマイナスなら課税されません。手続きは必要ですが、税額はゼロです。
4. 半分にする
残った額の2分の1が課税対象になります。これを退職所得といいます。
5. 所得税を計算する
課税対象額に、金額に応じた税率を掛けて控除額を引きます。給与と同じ税率表が使われます。
6. 復興特別所得税を加える
所得税額に一定の率を掛けた額が上乗せされます。
7. 住民税を計算する
課税対象額に対して一定の率で計算されます。こちらは受け取り時に差し引かれます。
| 勤続年数 | 控除額 | 退職金1,000万円の課税対象 |
|---|---|---|
| 10年 | 400万円 | 300万円 |
| 20年 | 800万円 | 100万円 |
| 25年 | 1,150万円 | 0円 |
| 30年 | 1,500万円 | 0円 |
| 35年 | 1,850万円 | 0円 |
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申告書を出さないとどうなるか
【結論】一律の税率で計算され、手取りが減ります。
受給に関する申告書
「退職所得の受給に関する申告書」を勤務先へ提出すると、上記の控除を適用した正しい税額で計算されます。
提出しない場合
控除が適用されず、退職金の全額に一律の税率が掛かります。本来より多く差し引かれることになります。
後から取り戻せる
確定申告をすれば、納めすぎた分は還付されます。ただし手続きの手間がかかります。
いつ提出するか
退職金の支給を受けるまでに提出します。会社から用紙が配られるのが通常です。
2か所以上から受け取る場合
【結論】通算して計算します。
同じ年に複数受け取る
本体の退職金と、企業年金の一時金を別々に受け取る場合などです。合算して控除を適用します。
過去に受け取っている場合
一定期間内に別の退職金を受け取っていると、勤続年数の重複部分が調整されます。申告書にその旨を記載します。
確定申告が必要な場合
複数から受け取り、それぞれで源泉徴収されている場合、通算するには確定申告が必要になります。
企業型の年金
一時金として受け取れば退職所得、年金として受け取れば雑所得になります。税の扱いが変わります。
受け取り方による違い
【結論】一時金と年金では課税が異なります。
一時金として受け取る
退職所得として扱われ、大きな控除と2分の1課税が適用されます。税負担は軽くなります。
年金として受け取る
雑所得として、毎年の所得に加算されます。公的年金等控除は使えますが、他の所得と合算されるため税率が上がることがあります。
併用する場合
一部を一時金、残りを年金として受け取る選択ができる制度もあります。控除を使い切る範囲で一時金にする方法があります。
社会保険料への影響
年金として受け取ると、国民健康保険料の算定に含まれることがあります。一時金にはこの影響がありません。
確定申告が必要な場合
【結論】通常は不要です。
不要なケース
申告書を提出し、勤務先が正しく源泉徴収していれば、確定申告は不要です。手続きは完了しています。
必要なケース
申告書を出さなかった場合、複数から受け取った場合、その年の所得が少なく控除が余っている場合などです。
還付の可能性
退職した年は、給与が年の途中までのため、所得控除が余っていることがあります。申告すると還付されることがあります。
期限
還付の申告は5年間さかのぼれます。慌てる必要はありません。
受け取り前に確認すること
【結論】金額と時期を把握してください。
支給の時期
退職から1か月から2か月後が一般的です。会社の規定によります。
金額の確認
就業規則や退職金規程に計算方法が記載されています。事前に概算を把握できます。
手取りの試算
上記の計算式で、差し引かれる税額を見積もれます。実際の手取りが分かります。
資金計画
住民税は前年の所得に対して翌年に課されます。退職金があっても、翌年の住民税は別に用意が必要です。
よくある質問(FAQ)
Q1. 退職金が少額でも申告書は必要ですか
控除内に収まるなら税額はゼロですが、提出しておくほうが確実です。
Q2. 勤続年数に休職期間は含まれますか
原則として含まれます。会社の規程で扱いが定められている場合があります。
Q3. 自己都合と会社都合で税額は変わりますか
税の計算は同じです。ただし支給額そのものが規程によって変わることがあります。
Q4. 転職先で退職金を受け取ったらどうなりますか
一定期間内なら、勤続年数の重複が調整されます。申告書に記載してください。
Q5. 源泉徴収票は交付されますか
退職所得の源泉徴収票が別途交付されます。給与分とは別の様式です。
Q6. 障害が理由の退職では違いますか
障害を直接の原因とする退職では、控除額が加算される制度があります。
まとめ
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退職金の税額は、勤続年数から控除額を出し、退職金から引いて、その半分を課税対象とする流れで計算します。勤続20年までは1年あたり40万円、21年目からは70万円が控除されます。
25年以上勤めていれば控除額は1,150万円を超えるため、多くの場合は課税されません。控除内に収まるかどうかを先に確認してください。
「退職所得の受給に関する申告書」を勤務先へ提出しないと、控除が適用されず一律の税率で計算されます。手取りが大きく減るため、必ず提出してください。後から確定申告で取り戻せますが、手間がかかります。
一時金と年金では課税の仕組みが異なります。一時金は退職所得として控除と2分の1課税が適用され、年金は毎年の所得に加算されます。選択できる制度なら、税負担を比べて判断してください。
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